手相を見てプラスな人生

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手相からの物語 生命線が張り出した男の話

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上の手相の絵は生命線の張り出しが大きくて、線自体も強いものです。運命線も比較的強い線です。この手相の持ち主がどんなタイプなのか。

生命線の張り出して線が強い人は体力自慢でバイタリティがあります。
仕事も遊びもバリバリとこなし、酒も性欲も強いでしょう。
体力や生命力が強いことは素晴らしいことですが、一つ注意しないといけないことがあります。
それは、体力に自信がある為、体調の異常を感じても、大丈夫、すぐ治ると油断し、気付いた時には大病にかかっていた、なんてことになりやすいことです。
又、暴飲暴食したり、体を酷使したり、無理しすぎるタイプですので注意しましょう。


この後は生命線の強い手相の持ち主を主人公にした物語になります。物語で、この手相の持ち主は北村清次といい、食品スーパーで精肉部門のチーフとして働いているという設定です。後輩山崎との会話から北村の性格が見えてきます。


手相からの物語
生命線の張り出しが大きい男

後輩と居酒屋にて

 最後の一個になった枝豆を口にくわえ指で弾くと口の中に二粒の豆が飛び込んできた。それをゆっくりと噛み、ぬるくなったビールで流し込んだ。食べ終わった皮を皮だけで山盛りになっている小鉢に置いて、お手拭きをつまむようにして指を拭いた。枝豆の皮だけになった小鉢と鶏の唐揚げがひとつだけ残った皿が、山崎の前に並んでいた。
 BGMは山崎が小学生の頃に流行った曲だが曲名は知らない。聴いていると元気になる曲だなと思って聴いていた。前に座る北村はそれを鼻唄まじりに口ずさんでいる。
 今日の売り出しで、売上が予算を大幅に超えて上機嫌になった北村が祝杯だといって山崎を誘った。
 店員が威勢のいい声で「はい、お待ち」と冷えたビールを北村に手渡し、北村は鼻唄を中断し「おお」と言って受け取った。
「北村さん、そろそろ帰りませんか」
 山崎は腕時計を見ながら眉を八の字にした。
「何言ってんだ、山崎、まだまだこれからだ。ほら、もっと飲めよ」
 そう言ってビール瓶を山崎の前につきだした。
「あっ、いただきます。けど北村さん」
 山崎がグラスを出しながら言った。
「なんだ」
 北村はビールを注ぎながら面倒臭そうに返した。
「この間、仕事中に倒れたじゃないですか。あまり無理しない方がいいんじゃないですか」
 北村はビールを注いでからビール瓶をテーブルにドンと置いた。
「うるせーな」
「あの後、ちゃんと病院には行ったんですか」
 山崎は注いでもらったビールを一口だけ口にしてから言った。
「あれは、倒れたんじゃない。つまづいて転んだだけだ。あの時も言っただろ」
 北村はテーブルを拳で叩いた。山崎は慌ててビールの入ったコップを手でおさえた。小鉢から枝豆の皮がビックリしたように跳ねて、一つテーブルに崩れ落ちた。
「いや、でもあの時、北村さんの顔は真っ青でしたし意識も朦朧としてました。北村さん、絶対疲れてますよ」
「うるせいな、お前と飲んでたら酒が不味くなったわ。あー、わかったわかった、もういい、帰るぞ」
 北村は火をつけた煙草をすぐに灰皿に押しつけ伝票をさっと取り、席を離れた。
「あっ、はい、すみません」
 山崎は一つ残った唐揚げを口に放り込み残ったビールを空けてから北村の後ろを追いかけた。
「支払いは割り勘にしましょうよ」
 北村の背中に向かって声を掛けたが、北村は振り返ることもなくレジへと向かった。